Friday, 29 March 2024

米国の持ち家率、人種間で格差 白人72%、アジア系63%、黒人44%

2023年4月3日

米国で黒人世帯持ち家率が2021年に44.0%と人種別で最も低く、10年前と比べた上昇幅も0.4ポイントと最小だったことが、全米不動産業者協会 (National Association of RealtorNAR) が3月29日までに発表した報告書で分かった。


持ち家比率が最も高い白人72.7%で2.9ポイント上がり、黒人との差が広がった。


NARの副チーフエコノミスト、ジェシカ・ローツ氏は「黒人は住宅を購入できる層でも世帯収入が低い傾向のため、購入可能な物件の選択肢が狭まる」と問題視している。

最近の住宅価格高騰も「白人よりも有色人種の住宅購入希望者に打撃を与えている」と指摘しており、人種間格差がさらに広がりかねない情勢だ。


伸びが最大だったのはアジア系の4.9ポイントで、持ち家比率は62.8%となった。

中南米系は4.1ポイント上昇の50.6%

全体では0.8ポイント上がって65.5%となった。


一方、住宅ローンを申し込んだものの拒否された2021年の人種別の割合は黒人が20%となり、最も高かった。

中南米系15%、白人11%、アジア系10%だった。


米連邦準備制度理事会 (FRB) の調査では、2019年の黒人世帯の税引き前収入 (中央値) は40,300ドル (約530万円) と、白人の69,000ドルを大きく下回った。

白人世帯の資産額 (中央値) は188,200ドルと、黒人 (24,100ドル) の約8倍に達した。




(2023年4月16日号掲載)