Saturday, 22 February 2025

米年末商戦、伸び鈍化か 業界予測、物価高が逆風

2023年11月7日

今年の米国の年末商戦は、売上の伸びが昨年より鈍化しそうだ。


全米小売連盟 (NRF) は売上高が前年比3~4%増となるも、昨年の5.4%増を下回ると予測。

食品燃料代上昇金利高が逆風となり、消費の減速が懸念されている。


NRFによると、2023年のホリデーシーズン (11~12月) の売上高の予測は前年比3~4%増の
9,573億9,666億ドル (約144兆145兆円)。

伸び率は新型コロナウイルス禍の外出制限で「巣ごもり需要」が急増した2020年9.1%増
コロナ禍後で消費意欲が高まった2021年12.7%増2022年5.4%増下回るとした。


物価高、金利上昇に加え、猶予されてきた学生ローンの返済が10月から再開され「家計を圧迫し、食料品の買い控え
余儀なくされている」 (ロイター通信) ことも鈍化の背景にあるという。

一方、コロナ禍で拡大したインターネット通販などの売上高は79%増加すると予想した。


NRFのマシュー・シェイ会長は声明で「伸びが世界的大流行 (パンデミック) 前の水準に戻るのは驚くべきことではない」と指摘。

「全体的に見れば家計は引き続き良好で、消費意欲を支えるだろう」と強調した。


NRFによると、全米の都市部では集団略奪被害にも見舞われている。

スーパーやアップルストアなど、小売り大手のチェーン店が凶悪化した窃盗犯に顧客と従業員の安全が脅かされ、営業を続けられなくなり、閉店も相次いでいる。

10月までに177ブランドの49%が「1年前に比べて万引犯が大幅に凶悪化した」という。

売上停滞の要因の一つに挙げられている。



*Picture: © Tada Images / shutterstock.com


(2023年11月16日号掲載)