Q 主人と私は永住権を持っています。
6か月ほど前にサンディエゴで長女を出産しました。
夏の間に一時帰国しようと思っています。
子どもの日本のパスポートは先日取得しています。
アドバイスをお願いします。
A サンディエゴで生まれた子どもは、米国国内での出生により、自動的に米国市民になることはご存知の通りです。
領事館を通して出生届、国籍留保の届けなどが必要になります。
日本人的感覚から、つい日本の手続きが先になってしまいますが、米国人でもある以上、出入国には米国のパスポートが必要です。
米国のパスポートは、郵便局の他に、カウンティ・オフィスの窓口でも申し込めます。
通常4〜6週間かかりますが、追加料金を払えば2〜3週間で発行してもらえます。
16歳未満の子どもについては、本人に加え、両親ともに出頭、または不在の親の合意書が必要になります。
申込場所、必要書類、申請用紙のダウンロードなどは passports.state.gov の国務省公式サイトをご確認ください。
なお、ネットにはパスポート取得に関する業者のサイトも数多くあるのでご注意ください。
米国のパスポートが発行されたら、米国出国時は米国のパスポートを呈示し、成田/羽田国際空港の入国審査では日本のパスポートを見せてください。
米国へ戻るときも同様で、成田/羽田では日本のパスポート、米国の入国審査では米国のパスポートを見せてください。
これは米国、日本のいずれの法律にも義務付けられていることです。
Q 日本人の子どもなので、別に米国のパスポートを取ったり、使用したりするのは面倒です。
もし、日本のパスポートだけを所有していたらどうなりますか?
A 日本のパスポートのみで米国を出国し、再び戻ることもできますが、入国はあくまで日本人観光客扱いとなりますので、滞在期間が90日に限られてしまいます。
これは結局、米国のパスポートを取った上で、地元の税関国境保護局 (CBP) の窓口で訂正してもらわなければならなくなりますので、始めから米国のパスポートで入ったほうが簡単ですね。
Q 今後、私たちが日本に永久帰国した場合、どうなるのでしょうか?
A 今後、子どもさんが日本に長く住むことになっても、米国籍が自動的に消滅することはありません。
米国のパスポートは、必要があれば東京の米国大使館などで更新していただくことになるでしょう。
ですが、逆に米国籍はそのまま残りますので、その後、社会人として収入を得ることになると、米国の税務当局へタックスリターンを提出する必要が発生します。
税務協定により、二重課税にはなりませんが、少なくとも申告を行う義務があるということです。
もし、幼少時代からずっと日本に住み続け、観光旅行以外に米国へ行くこともなく、むしろ申告義務が煩わしいので、米国籍を返上したいということであれば、国籍放棄という手続きもあります。
ただし、市民権を放棄したからといって永住権に変わるのではなく、ステータスが何もなくなります。
Q その場合、私の永住権はどうなるのでしょうか?
A 子どもが市民権を持っていても、放棄しても、親の永住権には直接影響しないので、日本に長く住むのであれば、米国の永住権が必要であるかの判断を求められます。
必要な場合、どのように維持するかという状況が発生します。
永住者にも世界中での収入を米国へ申告する義務がありますので、永住権を放棄したいということであれば、大使館で永住権放棄の比較的簡単な手続きを踏むことで成立します。
自主的な意図で永住権を放棄した場合は、その後、取得の条件が揃っていれば、再び取ることもできます。
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