曽 碧光
米国中医薬研究所所長
1932年台湾に生まれる。
東京大学農芸化学修士、米国カンサス大学微生物学修士、東京大学薬学博士、 元米国コネチカット大学病理学助教授、第1 回世界中西医結合大会審査委員、セント・エリザベス病院 (ボストン) 筋ジストロフィー主任研究員、ドライ・アイ眼科研究所生化学顧問、元米国漢方研究所所長、現米国中医薬研究所所長。
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児童とコレステロール検査 |
Q : 私は9歳と11歳の子供がいますが、先週、流行性感冒の予防注射をしてもらった時に、小児科医からコレステロールの検査もした方がいいと言われました。 今まで児童のコレステロール検査は聞いたこともなかったので驚きました。 小児科医は新しいガイドライン(方針)だと言いました。 この新しいガイドラインの根拠はなんでしょうか。 子供の時からコレステロール降下剤を服用させられると、その副作用が心配です。
A : 心臓疾患は依然として米国人死亡率の第1位を占めているので、その予防として、児童の9歳から11歳の間にコレステロールの検査を行い、17歳から21歳の間にもう一度検査すれば、コレステロール値によって、コレステロールのコントロールが若いうちから積極に進められ、心臓疾患の予防がより効果的になるというのが心臓疾患専門家たちの意見で、米国小児科医学会もこの新しいガイドラインに賛同しています。 今まで、児童におけるコレステロール検査は、心臓疾患のある家系または遺伝的に高コレステロール体質か糖尿病や高血圧症を持った場合に限られていましたが、この基準だと、高コレステロールを持った児童の30%が検出されていないことが分かりました。 今まで分かった事実では、小学校4年生の米国児童の10〜13%にコレステロール値200以上の高コレステロール児童がおり、大人にまで持続すると考えられ、心臓疾患を起こす危険性が高いと推測されます。 また、米国児童及び10歳代の少年の3分の1は肥満体であるため、高コレステロール体質か糖尿病にかかっている人がほとんどです。 無論、コレステロール降下剤服用は児童の発育と健康にどういう悪影響を及ぼすか分からないので、食事とエクササイズによる生活習慣の改善によって、コレステロールをコントロールして心臓疾患を予防する方向に専門家たちの意見が一致しているようです。 コレステロール値が高い場合は、横紋筋崩壊や記憶障害などを起こす副作用があるコレステロール降下剤を使う代わりに、コレステロールと中性脂肪を下げる漢方薬の霊芝降脂健心湯を服用させた方が安全と思われます。 また、コレステロール値が高い肥満児は、血糖と減量効果のある減肥湯を一緒に服用させると、さらに心臓疾患予防効果が倍増します。
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(2012年1月1日号掲載) |