食べる

食べる行為は人生に深い影響を与える。▽谷崎潤一郎が人間の性 (さが) を礼賛し、耽美的な小説創作に人生を捧げる決意を固めさせた食べ物 —— それは少年期に味わった玉子焼きらしいのだ。幼い頃に家業が傾き、住み込みの家庭教師をしながら旧制中学に通学していた谷崎は、食卓に出された「厚焼きの玉子焼き」の贅沢な味に感動し、自分の使命は社会の悲痛さよりも、玉子焼きの甘味のように、人間の愛 (いと) おしさ、美しさを表現し、人々を豊潤な至福の境地に導くことだと悟ったという。▽45年前、福島から東京の私立高に進学した私は一人暮らしを始めた。食事の世話をしてくれる叔母さんが長期入院してしまい、毎晩、近所の和食屋のカウンター席で夕食を取ることに。味噌汁はいつも冷めていたが、大人の中にいる高校生が「温め直してください」 とは言えず、切ない思いで箸を運んでいた。今でも冷えた味噌汁はトラウマになった哀しさが蘇るので、すぐに温め直す。▽父との “最後の晩餐 ” の夜。私が下戸 (げこ) で、川魚が苦手というのを見越した父は蕎麦 (そば) 屋を選んだ。父は更科そばに目もくれず、日本酒と大好物の「うな重」を注文し、2か月後に他界。専門店で特上のウナギを食べさせればよかった。私に貸しを与えて旅立ったと思うと、いつまでも悔いが残る。 (SS)
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▽「あなたは半年前に食べたもので出来ている」。モノの本によると、細胞が入れ替わるスピードは、粘膜系で2〜3日、骨など硬いものは年単位で、平均すると半年ぐらいで細胞が入れ替わるらしい。今、体調が悪いとすれば、半年前の食生活を振り返らないといけないらしい。▽「妻が肥満だと夫は糖尿病になりやすい」。10年ほど前、旦那が糖尿病、自分が肝機能障害の検査にひっかかった。「少し減量して3か月後に再検査。肝臓は切っても、また大きくなるから大丈夫」と、ドクターに脅かされた。運動もせず、FFフード三昧だった生活を見直して、どうにかヘルスチェックをクリアさせた。▽「一汁一菜」。料理研究家の土井善晴さんは一汁一菜を提唱している。特別な日(ハレ)と普通の日(ケ)の食事は別物で、毎日の食事はケなのだから、一汁一菜でいいと。これに準じて我が家の食事は、少なめの炭水化物+おかず一品+汁物に落ち着いている。▽「毎日のこと」。食べることは生きること、と分かっていても、食事を作りたくない日だってある。だから、時短レシピを活用している。最近ハマッているのが、野菜たっぷりの使い回しスープ。冷蔵庫で6日ぐらい持つので、カレー、シチュー、味噌汁、中華風、韓国風、ボタージュ、グラタン、麺類などにアレンジしている。「たかが食事、されど食事」 なのだ。 (NS)
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sheau-ching-san.gif 友人のPさんは背が低く、標準体型なのに、とにかくよく食べる!! あんなに食べる人は今までに出会ったことがない! シーフード食べ放題の店が大好きな彼と一緒に食事に行くたびに “スゴイ” と思ってしまう。まずはカニからスタート。Pさんはカニを5皿くらい持ってきて、テーブルがカニだらけになる。彼はカニの足の肉を上手に早く取る“特技” を持っているので、超速いスピードで中身をキレイに取り、5皿のカニをあっという間に完食してしまう! その後、刺身、寿司ロールなどに移る。食べ物が山のように積まれた3〜4皿を持ってくる。続いて、天ぷらなどの揚げ物2皿、焼肉、野菜類3皿。デザート1皿、アイスクリームとフルーツ。で、終いにまたカニ2皿!! 一体、食べたものはどこへ行ってしまうの!? 見ているだけで、お腹が一杯になるような食べ方! 人間の胃袋ってそんなに大きさが違うのかなぁ〜? 私も小さい体の割によく食べるタイプ。でも、Pさんには完全に負けている! Pさんの胃の中身はどうなっているの? 不思議! (S.C.C.N.)
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yoko 生後6か月頃から始める離乳食。上の息子の場合、10倍粥から始めて、だんだんと種類を増やしながら食べさせていった。豆腐、ホウレン草、人参、サツマイモ、カボチャ、鶏肉、リンゴ、バナナ … 手作りしていろいろと食べさせていたのに、成長するにつれて食べないものが増えていった。5歳半の現在、息子が食べるものが限られているのが、私と夫の悩みの一つになっている。一応、食べない野菜なども出してみるが、やはり食べない。時折、分からないようにバナナジュースに人参を混ぜている。下の娘の場合は2人目ということもあって、離乳食もかなり適当な感じだった。市販のベビーフードも結構与えていたし、いつのまにか離乳食が終了していた。3歳半の現在、一度に食べる量は少ないが、結構なんでも食べてくれるので助かっている。でも食べる量が少ないので、しょっちゅうお腹がすくらしく、ずっと何かを欲求してくる。ヒマがあると「Uh .... I want to eat .....」 と言ってくるので、ゆっくり座っていられない。これはこれで困ったもんだ。 (YA)
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reiko-san 私は、メインディッシュに付け合わせるサイドディッシュを食べるのが好きだ。カレーライスを食べるときは、らっきょう、福神漬け、ピクルスなどの付け合わせ。トンカツに欠かせないキャベツの千切り。ステーキをオーダーする際に選ぶマッシュポテトや野菜のソテー。韓国焼肉に行くと出てくる小皿のおかずの数々。ホットドッグもピクルスやザウワークラウトをソーセージが見えなくなるくらい盛って食べるのが好き。さらに言うなら、薬味が大好き。香りや辛味を加えて、味を引き立てるために添える香味野菜や香辛料。私にとって、薬味は添え物ではなく、主役である。万能ネギ、みょうが、パクチー、大葉、しょうが、七味唐辛子、ゴマなどなど。私の夫は、豆腐に何もかけずそのまま食べるのが好きだが、私には考えられない。ネギの小口切り、しょうが、カツオ節、あればオクラや大葉の刻んだのをてんこ盛りにして、ポン酢をかけて食べるのが大好き。薬味にメインが添えられているくらいのを食べるのが大好きだ。だから、下手をすると、私の用意する料理は、サイドディッシュ、薬味だらけになってしまう。ラーメンにネギをたっぷり乗せて食べるのが好きな娘。将来は私と同類、サイドディッシュ・薬味好きな人間になるな、きっと。 (RN)
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suzuko-san 私は普段はあまり多く食べる方ではないと思うのだが、これが All You Can Eat レストランに行くと、途端に豹変し、平気で4皿も5皿も平らげる。+普段は滅多に口にしないデザートまで手が伸びる。一緒に行った友達が目を丸くするほどだ。自分でも不思議なのだが、他のレストランに行っても、それほどは食べられないだろうと思える量が、リッパに胃袋に収まるのである。特技か? ああ、不思議。しかし、それほどの大食いをした後は、夕食は一切口にしない。時には、毎晩のハッピーアワーさえもキャンセルするほどだ。食べる割には消化力が弱いのか、夕食抜きなので、翌朝はお腹すっきり。Buffetはかえって健康に良い、とさえ考えているのだ。私の家食は韓国の小皿料理よろしく、最低でも5、6種のおかずを少量ずつ食べるのが常だが、あれほどの食材を一度に自宅で用意することは不可能に近い。1日30品目が栄養バランスの目安とされているが、Buffet に行くと、50品目くらいは食べている。その点でも健康によろしい。しかも2食分が1食分の価格。いいこと尽くしだ。さあこれからも、どんどん Buffet に行って、ガバガバ食べよう! 体重増加がちょっと気になるが、そこは運動、運動。 (Belle)
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jinnno-san 毎日のように通っている、うちの裏のマーケットは徒歩で30〜45秒~ (笑)。雨の日も小走りで行けば、傘は不要なくらい、ち、近い! 2〜3回行く日もありありありー。なーんでそんなに通うの?というと、その日に食べる食材を買いに行くから=冷蔵庫 (笑)。小麦粉、砂糖、塩など量り売りなので、それらさえも必要な分だけ家にある。わたしの中では食べる=このスーパー! ここがなかったら飢えちゃうわ。でも、ここの食材では足りないことがあるので、それはいつものニッポンのマーケットで〜 (近くないのに、なぜか毎日のように通っている 笑)。こんな風に言うと、よく食べるなと思われがちなんだけどー、わたしの場合、呑むのも食べることみたいな (どういうこと?)。デザートは別腹の方っているでしょ。わたしには “別腹都市伝説” はなく、オンリーワン胃袋。水分を取れば取るほど、ごはんのキャパが狭まり、食べられなくなる。お腹の大きさが10としたら、だいたい3対7の割合かなー (ごはん対お酒 笑) いやー、いかんいかんいかん! これではまるで、食事時になると、酒片手にアテだけつまむおっさんじゃーん! 笑! (りさ子と彩雲と那月と満星が姪)
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正直言って、食べることって面倒くさい。お腹がすいたら、自分1人だけなら、その辺にあるバナナでもつまんで終わりにするのだが、子供や夫がいるから、仕方なく毎日献立を考えて作っている。時々想像してしまう、夕飯にテーブルの各席にバナナ1本だけとか、リンゴ1個を置いておいたらどうだろう … などと。しかし、さすがにそんなことはできないので、いつもクックパッドや楽天レシピを見ては、なんとか毎日を乗り切っている。私の友人に、朝ご飯を作った後に夕飯の準備もしている人がいる。朝、お弁当と朝食を作って、さらに夕飯の支度なんて私にはとてもできない。なぜ朝から夕飯の献立が浮かぶの? 実は皆そうなの?? 朝食の後ってお腹いっぱいでご飯のこと考えたくないし。でも、朝のうちに夕食のメニューを考えておけば買物もすぐにできるし、夕方になって焦らなくてすむので1日を効率的に使えるだろう。理想的だけれど、食べ物のことを考えるのが面倒な私は、なかなか実行できない。最近はいつも、テーブル掛けに食べたいものを言うと、とてもおいしい料理がなんでも出てくるという、ドラえもんの秘密道具「グルメテーブルかけ」があったらいいのになぁと、くだらないことを妄想している。(子供のおかげで詳しくなってしまった …) (SU)


(2018年4月16日号に掲載)