留学時代、論述の基本を学ぶ外国人対象の必修英語クラスがあり、担当教官は強烈なキャラクターを持つ老練の白人T氏だった。T氏は無類の日本好き。日本贔屓 (びいき) の die-hard ぶりを教室で遺憾なく発揮していた。小津安二郎監督と原節子の大ファンで、授業中に『東京物語』を鑑賞させたりもした。日本語の俳句の響きに深い情趣があると絶賛し、有名な一句を日本人に詠唱させるなど、他の外国人学生には迷惑な独善的行動を繰り返す。邦人学生は成績の上積みを期待して、日本のおみやげをT氏に贈っていた。私も特大の郷土玩具『赤べこ』をプレゼントしたら「首に触れると、前後左右にユーモラスな動きが30秒以上も続いて感動しました」と綴られた丁寧な礼状まで届いた。T氏は嬉しそうにおみやげをクラスに持ち込んで、得意気に説明するようになった。ある時は浴衣姿で現れてクラス全員仰天! 最大のお気に入りは学生Aが贈った『尺八』。毎回、“和製リコーダー” を携えて登場し、顔面を真っ赤に紅潮させながら、出鱈目 (でたらめ) な真似事で “吹きまくる” のには参った。殺人的な雑音が教室内に響きわたり、脳髄をつんざくようなやかましさの中、日本人全員が非難の眼差しの集中砲火をAに浴びせていた。 (SS) | |
▽その昔、日本のお土産屋には地名入りのペナントが必ずあった。林間学校や修学旅行で訪れた先で「日光」「京都」などとデカデカと書かれた三角形の布を買って帰った。昨年、実家で親の遺品整理をしていたら、押し入れの奥の方から見覚えのあるペナントが出てきた。懐か しい気分に浸って片付けが進まなくなった。▽今まで一番怖いお土産は、松江市で見つけた「ほういちの耳まんぢう」。怪談 『耳なし芳一』の作者、小泉八雲ゆかりの地とはいえ、ちぎられた芳一の耳をまんじゅうにするとは・・。いちじく味も微妙に怖い。▽面白いお土産の筆頭は、同僚が買ってきてくれた「面白い恋人」。北海道じゃなくて大阪。発売元は「笑いとユーモア」の吉本興業。本家の「白い恋人」とはモメたようだけど、今や大阪を代表するお土産になっているらしい。▽「賞味期限シールのところに東京X店ってあるのよ」と、ご主人のウソ土産を見破った友人から LINE が入ってきた。今はネットで世界のお土産を買えるご時世だが、お土産をアリバイ工作に使う場合は、くれぐ れもご注意を。▽カメラが趣味の父は旅の土産は買わない人だった。母は温泉まんじゅうを爆買いするような人だった。思い当たる人全員にあげてもなお余る。日本各地のまんじゅうが実家の冷凍庫に押し込められていた。 (NS) | |
この2、3年、台湾へ里帰りするといつも有名な鳳梨酥 (オンライソー/パイナップルケーキ) をお土産に買ってきている。きっかけは2人の妹に薦められ、最初食べた時に「えっ? うまい! バターたっぷり、リッチな味で、最高!」と、とても感動したので、会社のみんなにもと思ったから。でも、あれからその味に慣れたせいなのか、味付けが変わってきたのか分からないけど、昔ほどおいしくなくなってきた (>.<)。前回、旧正月に里帰りしたら、偶然にも超おいしいパイクッキー (父の取引先のお正月みやげ) に出会えた! ハワイ風でナッツたっぷり、甘さ控えめでとても上品な味。今度はお土産にと決めた! そして先月、ハワイで休暇を過ごしたNさんがハワイアンクッキーのおみやげを会社へ持ってきた。お菓子が大好きな私はスタッフと一緒に「いただきまーす」と喜んで食べた。一口食べただけで「うまい!!!」と大感動! バターたっぷり、リッチな風味、今まで出会ったクッキーに勝るとも劣らない美味しさ! これからもいろいろな美味しいクッキーに出会いたい!(^.^) (S.C.C.N.) | |
故郷に里帰りすると「きびだんご」を必ず買って帰ってくる。私は岡山県倉敷市の出身なので、岡山といえば「桃太郎」で「きびだんご」。子供のころ、母と兵庫県の祖父母の家に行く時も「きびだんご」を手土産に持って行っていた。当時食べていた「きびだんご」は、シンプルな甘さの「元祖きびだんご」と、きな粉がまぶしてある「きな粉きびだんご」の2種類だけだったように思うが、今はいろいろな種類がある。白桃きびだんご、黒糖きびだんご、抹茶きびだんご、黒ごまきびだんご、海塩入りきびだんご、中からドロリとしたマスカット果蜜が出てくるマスカット入りきびだんごなんていうものもある。私が一番好きなのは、ほんのり甘くて柔らかい「元祖きびだんご」。ある日、隣りに住んでいたアメリカ人の友人に日本からのお土産だと言って渡した。「これは何?」と尋ねるので「ジャパニーズスイーツだよ」と言うと「全然甘くないね、味がない」と言われた。微々たる甘さが味気なかったみたい。あの上品な甘さが美味しいのに〜。 (RN) | |
実家に帰ると、修学旅行やら家族旅行などで買ってきたり、人からもらった土産物の数々が至る所にある。数十年にわたる蓄積なので、量もかなりのもの。私は帰省するたび、一人暮らしの父のため、要らない物を処分してすっきりさせようと頑張るのだが、この土産物の処分が難しい。埃をかぶって出窓の端に鎮座するカメの剥製、窓際にかかる古びた貝の飾り物、などなど。これらの土産物を一気に処分できたら、どんなに家がすっきりするかと思うのだが、そう簡単にいかない。「これどうしようか」と父に聞けば「それは誰それさんに頂いたどこどこの土産で〜」となり、やはりどれも捨てられない。私にとって思い出深い物もそれなりにあって、そういう物も捨てられず、結局、今度来た時に考えようとなって、いつまでも片付けられない。私のサンディエゴの住まいは実家ほど土産物は溜まってはいないはずが、そうでもなくて、家の中を見渡せば、自分たちで買った物や人からもらった物がそこかしこに・・。なので、最近は旅行に出かけても土産物は買わないようにしている。その場では雰囲気に押されて買ってしまいそうになるが、家に戻ってからどこに置くかを考えるようにすると、買う意欲が一気に落ちる。「お土産は思い出だけ」が今の私にはちょうど良い。 (RN) | |
どれだけ飛行機に、船に乗ってきただろう。そして各地でどれだけお土産を買ってきただろう。お土産は基本的に旅にはつきもので、どれを買って帰ろうかと選ぶのはとても楽しい。「この飾り物、自分の部屋の雰囲気にぴったり」「この小皿、前菜を入れたら素敵」「この小物は、きっと友達も便利に使ってくれるだろう」と、旅の先々で自分だけでなく、友や家族に思いを馳せるのも、そして、その旅の思い出を彼らとシェアするのも、とても楽しいことだ。と、若い頃はかなり世界各地でお土産を買ってきたが、いつの頃からか「もう物を増やすのはよそう」と、自分へのお土産はマグネットと決めた。しかし並みのものではなく、ちょっとおしゃれな、もしくはユニークなマグネットだけを選んで買うようになった。そうやって、世界で買い集めたマグネットが冷蔵庫のドアを埋め尽くさんばかりにくっつけられている。それらを見るたびに、各地での数々の出来事が思い出されて、幸せな気分になる。そして時々は、もう忘れかけていた失敗談やずっこけ談までも甦ってきて、苦笑したりもしている。体が動くうちは世界へ出かける、と決めているので、今後、どのくらいマグネットが増えるのかを、とても楽しみに毎日を過ごしている。 (Belle) | |
自分が旅に出たら、まず、お土産を買って帰ることはない (ヒドい 笑)。変わった場所で二度と来ないかもしれないのに、お土産なし! なんでかと言うと、バックパックだけで旅行するので、お土産の入る余地がないの。強いて言うなら、本当は御当地のお酒をゲットして帰りたいんだけど、飛行機の手荷物に酒瓶や酒壷は入れられないでしょ。それだけ (酒・笑) のために預け入れる荷物を持っていくか毎回迷う。あ、ニッポンに行くのは預ける荷物があるので、帰りは瓶を持って帰って来れる。全てのお土産はわたし用 (笑)。コロンビアでは珍しいものを見つけたので、自分のお土産に (また 笑) 持ってきた。それは全て合法の、乾燥させたコカの葉とコカとマリファナの軟膏。コカの葉はお茶に煎じて飲んでもそのまま噛んでもいい。現地の人々は高山病を避けるため、タバコみたいに噛んでるみたい。軟膏は普通にタイガーバームの匂いがして腰痛にめちゃ効きそう。発表! 今までの自分へのヒットお土産ベスト3は〜3位:うろこ剥がし ← めちゃめちゃ役に立ってる! 2位:たこ焼きの鉄板! ← めっちゃ重かったー! 1位:ウィスキー響17年! 当時6,500円、今45,000円 ← 飲み干すんじゃなかったー!(笑) (空瓶は今も転がってる 笑)。 (りさ子と彩雲と那月と満星が姪) |
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毎年夏になると日本へ1か月半ほど帰国し、その間、ディズニーランドに行くのが我が家の恒例になっている。今年も早速行ってきたのだが、やはり東京ディズニーランドの土産物の品数の豊富さには感心する。特に菓子類はどれも美味しい。だが、やはりお値段がいろいろと高い! 6歳の次女がどうしても欲しいと持ってきた、リップクリームとマニキュアにアリエルのキャラクター入りのミニポーチ。私的には見た目は700円程度だったので「いいよ〜」なんて気前よくカゴに入れて値段を見たら、な、な、なんと2,200円! おまけにプーさんの縫いぐるみも欲しいと言い出し、これが3,500円 (これはまあ、許せる範囲)。次女にあきらめるよう説得すると大泣きを始めた。そこへばーば (私の母) がやってきて「泣かせるでない」と私を叱り飛ばし、次女は欲しいものをすべて手に入れた。いいのだろうか、これで・・。ちなみに、8歳の長女が買ったものは数百円のキャンディーとミッキーのTシャツ。良かったのだろうか、これで・・? (SU) |
(2018年7月16日号に掲載)