熱中

 現在の私の風貌と体型からは想像できないだろうし、ましてや私の性格を知る人は誰も信じないが、20代後半の頃、趣味で始めたボールルームダンスに見境なく熱中していた。競技会には必ず出場し、個人レッスンに大金をつぎ込むのも厭わず、約3年間、生活費にも事欠くような、極貧生活を送る羽目になった。入賞して公共の場で踊る快感に取り憑かれた私は、大会用コスチュームを特注し、ラテンダンスには “ 葉型の銀ラメ ” をちりばめたワンピースで出場! 遠くから見ると、まるでウルトラマンの兄弟だ (私の父はそんな息子の姿を知らずに他界した。親孝行だった)。30数年が過ぎた今、ビデオを再生してみると、ダンスは所詮ビギナーの域を超えず、とても公表できる代物じゃない! (慚愧に堪えない自己嫌悪と冷や汗)。私はシアトルのダンススタジオに所属していたが、1980年代当時、世界的ダンサーを数多く輩出していたのはサンディエゴ (最高峰はロン・モンテス & エリザベス・カーティス 組)。米国におけるボールルームダンスのメッカだった。ヒルクレストの旧「チャンピオン・ボールルーム・アカデミー」 は有名で (カーニーメサにある同名ダンススタジオとは別)、サンディエゴはアマチュアダンサーにとって憧憬の街/眷恋の地だった。 (SS)
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 ▽ 平昌オリンピックに熱中した。期間中、LINEやテキストがバンバン飛び交った。「金メダル取ったショーンはカールスバッド出身!」「銀メダルの子、見た目チャライのに受け答えが好青年」「うつ伏せで滑走するスケルトン、危険度MAX」「ヘロヘロMAXは銃を背負って滑走するバイアスロン」「冬のスポーツは危険なのが多い」「足場がしっかりしていないもん」「フィギュア、またも衣装はだける」「アメリカのスピードスケートのパンツ!?」「思わず二度見してしまう」「ノルウェー強い」「冬のスポーツしかない!?」「カーリングの選手、美人が多い!?」「韓国に負けている!」「5位までメダルをあげれば」「オリンピック毎年やればいい」▽ そして圧巻は男子フィギュア。「田中刑事、デカ現場入り」「羽生くんだけは観たい!」「ドキドキして見ていらない」「緊張して何か出そう」「おちつけ」「きた!」「決めた!」「泣ける」「奇跡の復活!」「息するの忘れてた!」「大量のプーさんが!」「リタイアしたら生ゆづするぞ」「ゆづるん! しょうま! スゴすぎ!」▽「全ての基本は熱中である。そして、その熱中は純真な心から生まれる」 とは、アメリカの詩人エマーソンの言葉。ひとつの物事に熱意を傾ける姿、ひたむきに夢を追いかける強い心、熱中がもたらした勝利に熱中した熱い冬が終わった。 (NS)
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sheau-ching-san.gif 真剣にジムに通い始めてから、かれこれ10年も経過した! 最初はプールだけで、仕事の後、屋外のプールで「30分泳ぎ」 を3か月続けて、ある日、泳げない自分が泳げるようになった! 嬉しかった!! でも、水のせいで肌も髪の毛もボロボロになり、仕方なく、水泳からインドアのハイローインパクトとフラのクラスに替えた。最初は、グループで大勢の人と一緒に運動するのはとても苦手だったが、通っているうちに楽しくなり、お友達もできた! ジムで気持ち良く運動するのが生活の一部になり、もっともっと通うことに熱中! 今はセクシー系 Zumba クラス、超ハードのハイスピート TKB クラス、ヒップホップダンス系の Ujam クラス、バランスを上手く取るマーシャルアーツ系の Bodycombat クラスを全部取っている! ほとんど毎日ジム通い! いつからこんなに熱中したのか自分も分からないけど、とにかく楽しいし、汗をかくのも気持ちがいい! これからも熱中したままでGO!! (S.C.C.N.)
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yoko  性別の違いなのか、性格の違いなのか、可愛いものなら何でも好きな娘に対し、息子は一つのことに熱中する傾向にある。でもブームはあり、初めはミニカーがブームだったのが、パトカー、消防車などの緊急車両ブームに変わり、鮫ブームを経て、アーミー(戦車やヘリやグリーンソルジャー)ブームが来て、最近はモンスタートラックブームになり、恐竜ブームに入りつつある。興味のあることは覚えるのが早いというが、鮫や恐竜の種類を何種類も言えたり、特徴を覚えていたりで感心する。そういえば、私も恐竜のフィギュアを見れば種類が言える。父は、長女の私にお人形でなく、たくさんの恐竜のおもちゃを買い与えていた (男の子が欲しかったのか?)。ゴム製の恐竜たち、恐竜図鑑、ゴジラ(?)に親しんで育ったので、未だにその時に覚えた恐竜の名前が頭から離れない。そして、父はお年頃になった私に「Y子、Y子、ほらほらテレビに恐竜が出とるよ!」と言っては「興味ない!」と突き返されていた。淋しかったかな。恐竜大好きの息子を連れて、また父に会いに行きたい。 (YA)
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reiko-san  △ 中学に入学し、スポーツ音痴のくせに、何を血迷ったかバレーボール部に入部してしまった私。真夏の炎天下での練習は本当にきつかった。両足首に砂の入った重しを巻いてジャンプの練習。うさぎ跳び、空中椅子、ジョギング、etc。よく熱中症にならなかったと自分でも感心する。両腕の内側はレシーブの練習でできた内出血のお陰で青や紫、黄色とカラフル。突き指もしょっちゅう。ピアノも下手の横好きで続けていたので、ピアノの先生からは、何という部活に入ってしまったのかと何度も溜息をつかれた。部活のコーチは鬼みたいに厳しいし、万年補欠部員だったし、辞める理由はいくらでもあったはずなのに、最後までしぶとく居座った。あの2年半、私の身体と精神の両方が鍛えられた熱中時代と言えるのかもしれない。△ 猫が前足でモミモミする仕草、かわいいなと思っていたのだが、家で猫を飼い始め、実際にモミモミするのを間近に (横たわる私の胸の上で) 見た時は、そのあまりの熱中ぶりに少々たじろいだ。いつもは遠慮がちでおとなしいのに、モミモミする時は、積極的で少々手荒な感じに豹変。もう一匹の猫は、もっと激しくて、爪を出した前足をビヨーンと伸ばして、私の顔を触ろうとする。母猫を思い出しているのは分かるが、顔を引っ掻くのは遠慮願いたい。 (RN)
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suzuko-san 私の友達には、頭の中はゴルフだけという「ゴルフ気違い」や、イチローとジャクソン・ブラウンの追っかけが人生の支えの人、職業はおろか、生活全てをピアノだらけにしている人などがいる。一つのものに熱中して、ありったけの時間と情熱を注ぐ。なんとも素晴らしいことではないか。そういうものが、悲しきかな、私にはない。何か熱中、夢中になれるものを持つ人が羨ましいと思うものの、「じゃあ、これに熱中してみよう」と何かを選んだところで、そう簡単に情熱を注げるものでもない。ああ、つまらない! と嘆く私も、かつては熱中するものがあった。後にも先にも人生で唯一、あれほど一生懸命になったことはない。それは初代ジャニーズ (飯野おさみ、中谷良、あおい輝彦、真家ひろみ) に狂ってしまったことだ。彼らが載っている雑誌はすべて買い、歌った歌はすぐにレコードを買って覚え、東京や大阪のミュージカルを見に夜行列車に乗って行く。私の青春の全てを捧げたと言っても過言ではない。彼らが東京にいるから、私の大学は東京でなくてはいけなかった。なのになのに、受験勉強中の12月、彼らは突然解散してしまったのである。そのショックが大きすぎて、以来、私は熱中アイテムが探せないでいる。あ~あ。 (Belle)
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jinnno-san とーってもおっもろいおっさんに出会った! わたしもそーとーに、おもろいオンナと自負しているけど (笑)、このおっさんの面白さは、お笑いのおもしろさではなく、趣きがある? いや、わたしから見たら、彼の言うこと、為すこと、風貌すらも、立派なお笑い芸人さんに見えるんだけど (じゃあ、お笑いじゃん 笑)、本人は至ってマジメで一流のお家柄。まず経歴 (頼んでもいないのにラインで送ってきた 笑!) が半端なく超一流! お笑い芸人とは思えない! (だからお笑いじゃない! 笑)。オオモノ過ぎて詳しく語れないけど (でも言う 笑)、元自衛隊のトップクラス! 何て言うんだっけ? いわゆる将軍? (違うな … 将校か!? 笑)。「元」 の理由は3か月前に55歳で退役したから(若っ!)。で、120日間の連休中 (笑) らしく、現役中からのパッションであった、これまた息の合う (わたしと)、なーんと! マジックに熱中してんだってー! ぎゃははー!! 自分の技を次々と見せてくれて (頼んでもいないのに 笑)、ラインに次から次へと、たくさんの階級章の付いた軍服姿で、首から下を写した自分のマジック (笑) のビデオを (頼んでもいないのに) 送ってきた! 現役時代に大佐室 (があるかは分からんが 笑) で自撮りしたに違いない!・・・ 想像するだけで笑える ーー!(笑)。  (りさ子と彩雲と那月と満星が姪)
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 『10代後半から20代の熱中』。日本では一時期ブームになったボディボード。免許を取る前は、連れて行ってもらってのパドルアウト。免許取得後は、親の車で夜中の海に向かい、車の中で一眠りしてからの早朝パドルアウト。茨城の海、「さみぃ~!」 と叫びながらも、冬でも入っていた海。サンディエゴに移住して、海から3ブロックのPBに住んでいた頃は、早起きしてパドルアウト → 仕事 → 帰宅してからパドルアウト。 『30代の熱中』。30歳で1人目妊娠。1人目が1歳になった同じ頃に2人目妊娠。私の30代は「子育てに熱中」 の記憶しかない。髪の毛ぼさぼさ、化粧なんて無理、持っていた洋服は全て入らない。泣いている2人の子供を挟んでの私も、泣いていた記憶しか残っていない。朝から晩まで、授乳、おむつ替え、離乳食。背にはおんぶ紐で上の子を、前には下の子を抱っこの毎日だった気がする。『40代の熱中』。小綺麗になろうと、運動したり、顔パックしたりしているが、相対状況として更年期障害が入ってきている。ここ数か月は小綺麗よりも 「どう更年期障害を和らげるか」 問題に熱中しているのが現状だ。 (IE)


(2018年3月1日号に掲載)