フェンスの維持、修理は誰の責任？

Q 我が家の裏庭のフェンスが古くなって、傾いてきています。

倒れてしまう前に、新しいフェンスを建てたいと思うのですが、費用は隣人と折半でと考えて、フェンス業者から見積もりを取りました。

ところが、隣人は支払いたくないの一点張りです。お互いがシェアしているフェンスなのに…という気もしますが、子どもの安全を考えて、自腹を切ろうかとも考えています。

このような問題を解決できる法律はあるのでしょうか？できれば、法廷で争うようなことはしたくないというのが本音です。

A 隣人との土地の境界線に建てられているフェンスの修理や交換工事については、オーナー同士で合意を得られず、交渉が難航することもしばしばあるようです。　

このほど、カリフォルニア州議会がフェンス問題をクリアーするための、新しい法律を定めました。この立法措置の基盤となった、1872年に実際に起こった法廷ケースをご紹介します。

▽オーナーＡがフェンスを建てたいと希望したが、もう一方のオーナーＢは費用の分担を拒否。それから10年後、Ｂがその土地のある箇所にフェンスを建てたため、Ａとの境界線のフェンス費用の半分 (時価) をＡに支払う義務が生じた。

・説明：フェンスがまったく建てられていない土地のオーナーは、隣人とのフェンスの費用の半分を分担する義務から免除を受けられる。ただし、将来自分の土地のどこかにフェンスを建てた場合は、この免除権利を失い、過去の隣人のフェンス工事費用の半分を支払う義務が生じる。また、この際の支払額は、過去の費用額ではなく、義務の生じた時点での時価工事コストの半分となる。（California Civil Code section 841）

カリフォルニア州では、フェンスがまったくない土地というのはほとんどあり得ません。従って、このフェンスの法律で例外となるケースはほとんどないと思えます。　　

2014年1月1日より、隣人とのフェンスの維持と責任は、それぞれのオーナーが平等に持つことが明確にされます。お互いのプライバシーを守るフェンスを共有する立場から、フェンスの維持、責任、費用をフィフティーフィフティーで分けるという定義です。もし、隣人が支払いの折半を拒否した場合、この新法律についてのインフォをプリントし、見積もりと一緒に再検討してもらうよう、話し合ってみましょう。 

Q 我が家には高い生垣があり、フェンス代わりとなっています。

今年初め、隣に新しいオーナーが引っ越してきて以来、生垣のトリミングや防虫維持を行っていません。

何度かお願いしたのですが、忙しいとか費用が掛かりすぎるなどを理由に、そのままになっています。

反対側の枝は伸び放題、黒い虫がいっぱい付いているようで、このままでは生垣自体がダメになってしまいそうで、早く何とかしたいと思いますが、自分だけで維持を行うのは納得いきません。

こういった生垣をシェアしている場合の法律をご紹介ください。 

A お互いのプライバシーを守るために大事な生垣は、フェンスの一種類として認められています。

隣人には、フェンスと同様、生垣のトリミングや防虫スプレーなどが、維持に必要であるメンテナンスアイテムとして行う義務が生じます。

●トラブル解決方法

もし、あなたの隣人が合意しない場合は、Small Claim Court で決着をつける必要があると記載されています。ただし、隣人との関係を良い状態でキープするためにも、新しく制定されるこの法律に基づいて、隣人の同意を得られるよう、話し合って解決されることをお勧めします。新しい法律は1月1日に発効するため、まだ一般には知られていません。気持ち良く理解を得られるよう、できる限りの情報をシェアなさってください。

●新フェンスや生垣に対する法律上の情報リンク（英語版）

・http://www.ehow.com/facts_8424671_good-fence-policy-california-law.html　

・http://www.ask.com/question/california-good-neighbor-fence-law

●資料　Reference1:  State of California, California Civil Code Section 840-848 

http://www.leginfo.ca.gov/cgi-bin/displaycode?section=civ&group=00001-01000&file=840-848