サービスアニマルはペット？

Q リース契約書には「No Pet」 と記載してあるのですが、テナントからセラピーキャットを飼いたいとリクエストが入りました。

猫はあくまでセラピー用でペットではないので、法律上、大家は許可する必要があるといわれました。

今までペットは許可したことがないのですが、彼女の言い分は正しいのでしょうか？　

A「サービスアニマルはペットではない」 という定義に注意してください。

カリフォルニア州の身体障害を持つテナントの場合には、いくつかの法律がこの件に当てはまると思われますので、ご紹介いたします。

ADA (Americans with Disabilities Act) の定義では、サービスアニマル (Service animal) は特別の訓練を受けた犬であり、身体的、または精神的なオーナーへのサポート、ヘルプが目的とされており、猫は含まれていません。　

FHAct (Fair Housing Act & Section 504 of Rehabilitation Act) の定義では、オーナーの精神的なサポートをする動物は、その種類を限定しておらず、アシスタンスアニマル、サービスドッグ、サポートアニマル、セラピーアニマルなどといった呼称で呼ばれており、ペットではないという定義です。　

もし、あなたのテナントが身体障害 (Disability) を持っている場合は、セラピーキャットを許可する必要があると思われます。

身体障害を持つテナント (Tenant with Disability) に対して間違った応対をすると、深刻な罰金などの可能性もありますので、どう答えていいか分からない場合は、即答を控えて、法律上のアドバイスを受けてください。

Q 今までテナントが身体障害を持っていると聞いたことはありませんが？

A もし、テナントの身体障害が見た目では顕著でない場合は、必要書類の提示を求めてください。

ただし、障害の詳細内容や種類、そしてサービスアニマルがどのようにサポートするのかなどといったことについて、直接テナントに質問することは控えたほうがよいでしょう。

必要な書類、医師の診断書などを確認した場合は、サービスアニマルを許可する必要が出てきます。

Q テナントがピットブル犬 (Pit bull) を飼っていることを最近発見しました。

ところが、テナントはこの犬をサービスアニマルだと主張しています。

危険性のある種類の犬はなるべく避けたいですし、隣りの子どもたちが怖がっているという犬の種類を理由に断ることはできないでしょうか？

A サービスアニマルという定義の範囲では、犬の種類やサイズ、隣人が怖がるなどは、残念ながら断る理由として認められていません。

ただし、物件へのダメージや柵から逃げ出したり、隣人へアタックするなどの危険性が認められた場合は、断ることが可能となります。

まずは、証明書をリクエストして、確認を行いましょう。

Q サービスアニマルを許可するなら、クリーニングやダメージの可能性に備えてペットデポジットをチャージしておきたいのですが？

A 残念ながら、サービスアニマルはペットではないという定義です。

このため、ペットデポジットは要求できません。

また、ペットデポジットを払わないという理由ではサービスアニマルを断ることは違法となりますので、ご注意ください。

Q レントをその分高くすることは可能ですか？

A 月々の契約であれば可能です。

ただし、サービスアニマルを理由に値上げをすることはお勧めできません。

リース契約であれば、更新時まで待つことになります。

Q サービスアニマルを理由にテナントを追い出したいのですが？

A 絶対にお勧めできません。

契約更新の際に、ユニット内のリモデル工事などの理由でテナントとの契約を終了することは可能です。

Q サービスアニマルによる汚れ、ダメージなどはテナントにチャージできますか？

A はい。サービスアニマルはテナントの責任範囲であり、臭い、汚れ、ダメージなどの掃除や修理は保証金から差し引くことができます。

最近は、自分のペットをサービスアニマルとして、レストランや公共の場などに連れ込む人が増えており、オンラインで誰でも買えるサービスアニマルのベストがその状況を悪化させているようです。

残念ながら、偽りの申し立てを行う人々も増えてきているため、もしテナントからリクエストを受けたときは、きちんと診断書を確認してください。