インフレ対策 (2012.5.16)

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保科 みゆき  Miyuki Hoshina Flavell

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1988年9月より現在まで23年間、「不動産Q&A」を連載
カリフォルニアに住む日本人の方々の生活に役立つ情報を、不動産コラムでご紹介しています。不動産売買だけでなく、賃貸に関する大家、テナント側からのご質問や、家の修理に関してのご質問など、皆様のサポートを提供しています。

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インフレ対策

 

Q. 今年になって、主要メディアではこれから到来するインフレに対してのニュースやコメントが多く見られます。

不況が続いているのになぜ?…という気もするのですが、不動産マーケットにも影響が出てくるのでしょうか?
 

 

A. アメリカでは今後ドルの価値が下がり、その結果としてインフレ傾向を予測するエコノミストたちの意見が多くなっています。

実際に私たちの毎日の生活にどのように影響するのか、注目すべき時期が来ていると感じています。

メディアではCPA (物価指数) などの統計を使って、現在のインフレ動向を数字で紹介し始めています。

CPI (Consumer Price Index) 消費者物価指数は2008年には1%でしたが、2012年現在は3.8%となり、今年の暮れまでには5%を超えるという予測も出ています。  
 

 

 

インフレ対策:レンタルの場合
 

すでにインフレ傾向の兆しは出ています。

レンタルマーケットでは、レントの値上げの統計が出始めているため、仕事や通学などで一定の期間同じところに住む予定の方は、今のうちに長期リース契約の交渉を行なうのも一案です。
 

サンディエゴにはレントコントロール規制がないため、月々契約の場合、レント値上げはオーナーからの30日通知次第となります。

規制としては、過去12か月間に10%以上のレント値上げになる場合のみ、オーナーからテナントへ最低60日間前の通知が義務付けられているだけです。

もしあなたがオーナーで、リース契約更新が近づいている場合、まず近隣のレンタルマーケットをチェックしましょう。

その結果次第で、グッドテナントをキープできる程度のレント値上げを適切に行なうことで、テナントの入れ替わりに掛かる費用をセーブできます。

とても良いテナントを持っていて、レント値上げでそのテナントを失うことを恐れており、できる限り長く住んでもらいたいと考えている場合は、毎年リース更新時になるべく値上げを行なうことをお勧めします。

テナントがグッドテナントだから値上げがないと思われてしまうと、数年後の値上げを理解してもらえなくなります。

毎年、少しずつの値上げを行なうことで、グッドテナントをキープしたいというあなたの誠意を納得してもらう方法が一番望ましいと私は信じています。

たとえ月々のレントが$10でも$20でも、何らかのレント値上げを行なうことにより、レントは毎年上がっていくという設定をキープすることが重要となります (もちろんダウンマーケットでは例外となります)。

今まで値上げをしなかったからという理由で、数年後に大幅な値上げをした結果は必ずしもテナントの合意を得られず、結果的に引越しされてしまう可能性もあります。

それよりは、テナントが了承できる範囲のわずかな値上げを行なうことが、結果として良いテナントをキープするベストなアプローチであると思います。

このコンセプトは、常に良いテナントをキープするために、マーケット価格より少しだけ低いレントを設定することが必要条件となります。

自分たちは良いテナントだから、他に移るよりも安いレントで借りられるというイメージを守ることが重要です。

グッドテナントをキープする最大の理由は、テナントの入れ替わりに掛かる費用と、その期間の無収入を計算した金銭上の統計により導き出されるメリットにあります。
 

 

 

インフレ対策:購入、売却の場合
 

20万ドル以下のマーケットは異常な勢いで変動しています。

クレージーな住宅市場の頃 (2000〜2004年) に学生だった若い人たちには、マーケットがクラッシュしていた時の実際体験はありません。

彼らのもっぱらの関心はレントまたは購入のどちらがよいのかという、毎日の生活のバジェット、そして数字上の計算にあります。

レンタルしている限り、毎年のレント値上げに対しての対策は安価な所への引越しのみです。

インフレの波が来るという事実にどう対処するのかを考慮すると、やはり自分の居住地の購入が最も安定した、望ましい結果となります。

購入により、将来の月々の住宅費用 (30年間) が固定される安心感を得られる事実が、若い方たちの購入意欲をサポートしています。

変動利率のローンを持っている方は、至急リファイナンスの手続きを行なうことをお勧めします。

30年固定利率が4%以下というのは、アメリカの歴史上でも最低記録ではないかと思われます。

インフレが到来すれば、もちろん利率も上昇するため、今のうちの対策が必須となります。

現在、First Time Buyer のマーケットが動いています。

この価格帯マーケット ($220K or under) が動くと、次に買い替えバイヤーのマーケット ($300K or over) が動き出します。

これは、結婚や子供の出産など、彼らの人生のステップアップにより、手持ちの物件を売却して MOVEUP Buyer となり、次の価格帯が活性化されるためです。

彼らの動向が次のレベルの不動産マーケットを刺激する原動力となります。

今、私たちは、その次のマーケット動向を注意してモニターする必要があると思います。

 
尚、弊社のレンタルホットラインでは、賃貸に関するご質問をお待ちしております。
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(このコラムではカリフォルニア州不動産の一般的情報を皆様にお伝えしています。各ケースのアドバイスは必ず専門機関にご相談下さい)

(2012年5月16日号掲載)