ビデオ面接 (2017.1.16)

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ishinabe_face.gif石鍋 賢子

米国カリフォルニア州弁護士

上智大学外国語学部英語学科出身。ビジネス系の移民法専門弁護士として20 年の経験を持つ。グレイ・ケリー・ウェア&フリーデンリッチ、ララビー&アソシエーツ等法律事務所勤務を経て、独立し、事務所設立。

米国弁護士会(ABA)、サンディエゴ弁護士会(SDCBA), 米国移民法弁護士会(AILA) 会員。サンディエゴ在住19 年。

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ビデオ面接

       
 

Q 国際結婚で永住権の申請をしています。

 

アジャストメント・オブ・ステータスの申し込みを提出して、指紋採取を既に行いました。

 

先日、面接通知が届き、ビデオカメラで面接が収録されると書いてあります。

 

どのように対処したらよいでしょうか。

 

 

 

A 通常、アジャストメントに関する面接は、申請者と受益者同席で行われ、所要時間は約20~30分くらいです。

 

面接の目的は本人確認と、申請内容の確認、及び提出書類がオリジナルのコピーであることの確認などです。

 

ですが、場合によっては面接がビデオ撮影されることがあります。

 

通常の場合であれば、当事者が手続きを行ってもこなせるかもしれませんが、ビデオ面接が指定されている場合は、できれば代理人弁護士にサポートを求めることをお勧めします。

 

国際結婚による永住権申請に関しては、スポンサーまたは受益者自身の経済力、犯罪歴の有無なども審査されますが、偽装結婚でないかという要素が影響します。

 

関連書類により、結婚が見せかけや、永住権取得目的でない、通常の婚姻関係であることが明らかである場合もありますが、ケースによっては、ユニークな事情により、疑いを持たれる場合があります。

 

原因として考えられるのは、二人が別居のままであること(単身赴任の場合もありますが)、口座が別々など、金銭的な協力関係が全くない(諸理由により必ずしも共同名義を作らない人もいますが)、二人の背景が全く違いすぎる、あるいは共通点が全くない、出会いから結婚までの期間が短すぎる、年齢差が大きい、スポンサーが高齢、文化的に相容れないと思われる組み合わせ ―― などです。

 

それが必ずしも偽装でないかもしれませんが、移民局審査官にしてみれば不自然に映ったり、要注意と思われてしまう場合があります。

 

当事者が英語が苦手であっても、通常の婚姻関係であれば、普通の面接では何とか説明がつくかもしれませんが、ビデオ面接の場合は “赤信号” と既に解釈されており、後々の当局側の証拠づくりのためにビデオが撮られるわけですから、それを覆す必要があります。

 

面接はスポンサー、受益者別々で行われ、その後、二人同時で「まとめ」が行われます。頭上にビデオカメラがあって、一切が画像、音声ともに収録されていること、面接内容は証拠として他の手続きで使われる可能性もあること、手続きを辞退したい場合は放棄することが可能であること ―― などが細かく法文を読み上げるように説明され、「怪しいと思ってるよ、いやならどうぞ」と言わんばかりです。

 

それだけでかなりのプレッシャーが感じられたり、犯罪人扱いされているように感じられるかもしれません。

 

各自の面接では、誕生日や結婚記念日をどう過ごしたか、なれそめ、付き合っていた頃のこと、結婚を決めた動機、プロポーズ、先週末は何をした ―― など、生活の日常的なことについても具体的な同じ質問が行われ、審査官は回答を細かくメモします。二人の答えに食い違いがないか、実際に同居しているか、夫婦として不自然なところはないか ―― などが質問の目的です。

 

うっかり勘違いとか、度忘れなどによって二人の答えが違ってしまうことがありますが、質問のタイプ、回答によっては、それが単に間違えたでは許されない場合があります。

 

審査官にとってキーポイントとなるような大事な質問で二人の答えが違っていたものの、審査官が二人に説明を求め、幸い受益者が関連事項についてレシートや写真などを持参していたため、スポンサーの度忘れが判明し、審査官が納得したという危機一髪のケースもあります。

 

ですが、場合によっては、永住権が却下されたケースもあることを聞いています。

 

面接では緊張しないほうがいいですが、事前の周到な準備をお勧めします。

 

 

この記事は、参考として一般的な概要をお伝えすることを目的としたものであり、個々のケースに対する法律のアドバイスではありません。

  (2017年1月16日号掲載)