櫻井 真理
育英セミナー・サンディエゴ校室長
日本の某高校にて国語教諭として勤務。その後、育英セミナーの教育活動に賛同して転職。
現在はサンディエゴ校室長として海外子女教育に力を注ぐ。
CAHSEE(高校卒業試験) |
Q 現地の高校を卒業するためには、卒業試験をパスしないといけないと聞きました。詳しく教えてください。
A カリフォルニアは公立高校の卒業にあたり、高校卒業試験を設けています。
この試験は CAHSEE (California High Shool Exit Examination) と呼ばれ、カリフォルニアの公立高校に通う生徒は、この試験に合格しなければ高校卒業資格を得ることができません。
試験科目は英語と数学で、日常生活に必要とされる基本的な英語と数学の能力があるかどうかのテストです。
対象は10年生以上の生徒で、試験は年に数回、無料で行われています。
スコアは275〜450点で採点され、合格点は350点以上です。
合否の結果は数学と英語と別々に出ます。
一度に両方の教科を合格できなかった場合には、不合格の教科だけを受験することができます。
ただし、この試験はカリフォルニアの基準に沿って行われていますので、他州の公立高校の卒業資格には必ずしもなりません。
Q テストはいつ実施されますか?
A テストは年に7回ありますが、学年により受験できる回数が決まっています。
通常、10年生は年に1回 (2月か3月のテスト日)、11年生は年に2回 (7月のテスト日以外)、12年生は年に3回まで受験できます。
テスト結果は試験日より7〜8週間後に学校に届きます。
12年生の5月にテストを受けると、試験の合否が届くのが6月下旬から7月上旬になるため、卒業が遅れてしまう可能性がありますので注意しましょう。
各学校によって CAHSEE の受験日をそれぞれ設定していますので、詳細はカウンセラーにご確認ください。
Q CAHSEEのテスト内容を詳しく教えてください。
A 英語の試験は選択問題と記述問題から構成されています。
試験は現地校の9年生、10年生の英語クラスで行う基礎の内容が中心となっており、様々なタイプの読解問題 (物語、詩、台本、説明文、歴史など)、文法、作文課題 (1題) が出されます。
英語力のレベルとしては TOEFL 61点前後くらいの力が必要です。
渡米してから高校卒業までの期間が短い生徒は、しっかりとした英語力を身に付けるように勉強していかないと、卒業までに英語の試験に合格できない場合もありますので注意してください。
数学は全て選択問題です。
この試験は現地校の6年生、7年生で習う基本問題と Algebra 1 の基本問題が中心となって構成されています。
計算機の使用はできませんので、基本的な計算 (整数、少数、分数、割合等の計算) がしっかりできていることが大切です。
数学のテストは基礎が身に付いていれば問題はないのですが、英語で数学を解くことに慣れている必要があります。
また、日本で使われない単位 (マイル、インチ、フィートなど) も出題されますので練習しておきましょう。
CAHSEEは基本的にテスト時間に制限を設けていません。
テストを受ける際、学校側は英語のセクション1に2時間、セクション2に1時間30分、数学の各セクションに1時間30分と時間枠を設けますが、問題が解き終わらなかった場合には、可能な限りテスト時間を延長することができます。
CAHSEEについての詳細は、現地校のカウンセラーまたは CaliforniaDepartment of Education のサイト www.cde.ca.gov/ta/tg/hs/ にてご確認ください。
Q 12年生のうちに CAHSEE をパスできない場合はどうなりますか?
A 高校卒業に必要な単位を取得したけれど、高校卒業の資格をまだ得ていないことになりますので、CAHSEEに合格するまで卒業証書 (high school diploma) は取得できません。
この場合、12年生が終わってからも、年に3回、合格するまで試験を受け続けることができます。
なお、このような状況にある生徒のために、Adult Education Systemでは18〜20歳で高校を卒業していない生徒を対象にクラスを開いています。
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育英セミナー・サンディエゴ校では、CAHSEE対策のためのクラスを日本語または英語で受講することができます。
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(2014年11月16日号掲載) |