医療改革における 変革の流れ(2012.4.16)

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ishiwada_top.jpg 石和田 貴光

保険エージェント

兵庫県神戸市出身。大学卒業後、新聞社系出版社にて教育広報部、営業企画部に所属。2001年8月25日に渡米。ロサンゼルス、サンディエゴの出版社にて営業部に所属後、2005年10月にブルーストーン保険エージェンシーを設立。現在はサンディエゴと、ダウンタウンLAの2拠点より、健康保険、生命保険、各種年金プランに関するコンサルテーションを提供。2009年1月より社名を「Ishiwada Insurance Agency」に変更。趣味はランニング、テニスとゴルフ。

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医療改革における変革の流れ

2010年3月23日に施行されたHealth Reform / オバマケアーによって、個人向けから法人向けまで、大幅な変革の最中にある医療保険業界。

「2014年以降は、個人の医療保険加入を義務付ける」、また「一定の水準を超える未加入者には罰金が科せられる」といった法案が練り込まれています。

しかし、この規制は「連邦政府の権限を逸脱している」、または「違憲の可能性がある」と連邦高等裁において意見が割れ、2012年6月末までに判決が下される見込みであるそうです。
 

 

 

医療保険の義務化によるメリット・デメリット

上記の違憲訴訟の結果いかんで、今後どのような影響が出てくるのか様々な議論が交わされていますので、いくつか抜粋してご紹介します。
 

  • 個人向けの保険が義務化となった場合(※2014年1月以降):全米における無保険者の数が2010年度の4,990万人から2019年には2,300万人まで削減できる見込み。

     
  • 個人向けの保険が義務化とならない場合(※2014年1月以降):上記の無保険者の数(2010年度)から、2019年まで3,900万人までしか削減できなくなるだろうとの見込み。

 

現在、個人や家族向けの医療保険では、加入申請時に求められる Underwriting (*加入審査) が課せられていますが、「仮に医療保険の加入義務化が可決された上で、既往症による加入拒否や、保険料が引き上がるなどの要因を禁止した場合」、結果的に健康な人が保険に加入しなくなり、健康に関するリスクレベルが高い加入者の加入割合が増えるといった現象が生まれるといった懸念材料が浮かび上がっています。
 

 

 

2012年7月1日からの大きな変革

カリフォルニア州ですでに決定した医療改革法案における大きな変革の一つは、「2012年7月1日以降、全ての医療保険のプラン内容にMaternity coverage (*妊娠・出産時の医療サービス) が含まれる」ことです。

特に、個人向け医療保険では、Maternity coverage のプランは、常に任意で加入するか否かの選択権がありました。

今年の7月1日以降からは、既存の医療保険のプランにも Maternity coverage が組み込まれるほか、新しい医療保険のプランにも強制的に盛り込まれる予定です。

各種詳細事項に関しては、2012年5月あたりまで各保険会社は発表を控えているとのことです。(※2012年3月現在)

この医療改革法案の違憲訴訟の行方は、2012年11月に予定されている大統領選挙にも大きな影響を与える要因が多く、まだまだ目が離せない状況です。

(2012年4月16日号掲載)

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