高齢者によく起こる目の疾患(2013.7.1)

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son_new8.jpg曽 碧光

米国中医薬研究所所長

1932年台湾に生まれる。
東京大学農芸化学修士、米国カンサス大学微生物学修士、東京大学薬学博士、 元米国コネチカット大学病理学助教授、
第1 回世界中西医結合大会審査委員、セント・エリザベス病院 (ボストン) 筋ジストロフィー主任研究員、ドライ・アイ眼科研究所生化学顧問、元米国漢方研究所所長、現米国中医薬研究所所長。


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高齢者によく起こる目の疾患
       

Q : 高齢者によく起こる目の疾患とその漢方療法をお教えください。

 


A : 高齢者によく起こる目の疾患を次に挙げて説明するとともに、漢方療法も一緒にご説明いたします。

 

白内障(Cataracts): 白内障とは、透明であるべき水晶体(レンズ)が白く濁る病気で、ひとみのところが白く見えるので白内障と名付けられました。

白内障には老人性白内障と糖尿病性白内障がありますが、一般では白内障といえば、老人性を指しています。
老人性白内障は眼球内にある水晶体が老化とともに濁ってくるもので、その原因は紫外線や赤外線などの光線による、水晶体が長い歳月に目を開くたびに起こる緩やかな酸化現象だと考えられています。

ガラス吹き職人やインドの紫外線の強い地方に白内障患者が多いのも、この原因だといわれています。白内障の進行を阻止したり、視力回復に役立つ西洋薬は今のところありません。

白内障の専門医に行けば「今はまだ初期だから、かなり症状が進んだら手術しましょう」ということになります。

この手術以外に治療方法がない白内障に、前千葉大学眼科教授・藤平健は漢方薬の八味丸と人参湯を併用して、患者の視力を回復したと報告しています。

実際に、アメリカでも白内障初期の患者が八味丸と人参湯の併用によって白内障の進行を阻止したケースがあります。

 


マキュラー退化症 (Macular degeneration): マキュラーは網膜中央部の一小部分を占め、網膜を補助してシャープな拡大した視野をつくり、私たちに細かい小さな字が読めるようにしてくれる効用があります。

マキュラーが損傷を受けると中央の視野が失われますが、側の視野は保たれます。

マキュラー退化症は長い歳月にわたる紫外線と赤外線などの光線による酸化現象が、その起こる原因だと考えられています。

マキュラー退化症は読者の皆様にはなじみのない疾患ですが、現代の眼科医学界ではホットな課題です。平均寿命が80歳以上になった今では、昔はなかった病気が年々増えてゆくのはやむを得ないと思わざるを得ません。
抗体で目にある血液が漏れる血管が増えるのを防ぐことが、今のところ唯一の治療法です。

アンチ・オキシダント(antioxidant)作用のあるビタミンを服用すると、マキュラー退化症の進行を防ぐことができるという米国国立眼科研究所の報告があるので、漢方予防法として、アンチ・オキシデント作用のある八味丸を服用することをお勧めいたします。

 
(2013年7月1日号掲載)      

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