Eメールの活用方法 再確認 (1)(2013.5.1)

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asadasan.jpg麻田 貴平

(株)テイクワン システムズ・サンディエゴ代表

南カリフォルニア大学(USC)卒。
青山会計コンサルタント事務所、太田昭和コンサルタント事務所を経て、2007年よりテイクワン システムズ・サンディエゴ代表。


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Eメールの活用方法
再確認 (1)
 

今や、パーソナル、ビジネスに必要不可欠なEメール。

時間や場所を問わず、効率的に社内外の人とやりとりできる手段として「毎日、頻繁に活用している」という人がほとんどでしょう。

しかし、Eメールは電話や直接対話と違って、お互いの表情や声のトーンが分からないため、言葉の使い方ひとつで誤解を生んだり、信頼を損ねたりするリスクも抱えています。
 

今回は、信頼を失うことなく、社内外の人とやりとりできる手段として、より効果的にEメールを活用するメリット、デメリット、マナーや留意点を紹介します。
 

 

 

Eメールのマナー
 

Eメールにもマナーはあります。

ただし、手紙のマナーとは大きく異なっています。

例えば、Eメールでは通常、時候のあいさつなどは省かれることが多いのですが、それを失礼と受け取る人は少ないでしょう。
 

電話と違い、Eメールは互いの時間を合わせる必要がありません。

真夜中であろうと遠慮なく送信できますし、受け取った方も自分の都合のよい時に読めます。

複数の相手に同じ文面のメールを送るのも簡単です。

返信時は相手の文面を簡単に引用できるので、誤解が起こりにくいのです。

送受信した過去のメールは、本文に含まれるキーワードなどで検索すれば、一瞬にして探し出せます。
 

こうしたEメールの特徴を一言で表すなら「効率」 です。

Eメールを多用する人ほど、ビジネスの生産性を高めることに熱心と言えます。

従って、本当に相手を尊重するならば、かしこまったEメールではなく、相手が短時間で正確に内容を理解することができるよう、分かりやすさに注力すべきです。
 

 

 

Eメールの常識・非常識を再確認
 

Eメール利用者の意識で、非常に興味深い調査結果があります。

それは送り手が失敗したと自覚するメールと、受け手が不快に感じるメールにはギャップがあるということです。
 

具体的には、送り手側の失敗として上位に挙がったのが「添付ファイルの付け忘れ」「誤字・脱字」「件名の付け忘れ」などの機能上のミスに集中しているのに対し、相手が不快感を感じるのは「読みにくい」「言葉遣いが不適切」「開封確認要求」といった、マナーや配慮に欠けたメールが目立ちます。
 

 

 

送り手と受け手の意識の差はこんなにも
 

例えば、開封確認要求付きのEメールは一見便利なようですが、受け手にとってはストレスになり、失礼な印象を与えることが多いようです。

重要度の設定も、それを利用するより、本文の最初の2、3行でなぜ重要なのかを簡潔に書いたほうが伝わります。
 

また、機種依存文字やHTMLメールは受け手のパソコン環境によって正しく表示されないことがあります。

特に、HTMLメールはウイルスを媒介する危険性があるので送るべきではありません。

ファイルを添付するケースは少なくありませんが、その場合は容量を2メガバイト程度までに抑えるのが一般的です。
 

メールが改善されにくいのは、メールの善し悪しが客観的に評価される場が乏しいということに起因します。

電話や接客などと違い、部下のメールを上司がチェックして指導するという職場も少ないですし、受け取ったメールを不快に感じたからといって、それを指摘する人もほとんどいないでしょう。

そのため、知らず知らずのうちに相手を不快にさせていることもあり得ます。

それがEメールの落とし穴なのです。

 

(次号に続く)

 

(2013年5月1日号掲載)

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